2017年4月2日(日) 快晴微風
群馬県は谷川連峰朝日岳の東に位置する雨ヶ立山(あまがたつやま、1626m)に登って来ました。
この山は、山と高原地図では雨ヶ立岳と記載されており、登山道がないので積雪期以外は藪山となり、事実上積雪期のみ登山可能となるとのこと。
ネットで情報収集するも記録が乏しいので、いくつかルートを想像しながら地形図をじっくり眺めて頭にたたき込み、現地へ向かいました。

【実際に掛かった時間】
宝川温泉~0:50~理水試験地~3:20~雨ヶ立山~0:40~理水試験地~1:25~宝川温泉

 

6:30登山口となる宝川温泉に到着。
ですが林道への入口がわからず周囲をウロウロしていると、ちょうど出発準備をしている登山者を発見し、入口を教えて頂きました。
(この方は、朝日岳まで狙っているとのことで、驚愕しました。)

宝川温泉の入口には立派な大手門があり、その外の駐車場に車を置き、準備して7:00に出発。

宝川林道は大手門を入ってすぐ右側奥に続きます。
(雪が解ければ大手門の外から直進して行けそうです)
なお、出発時は右奥へゆく道に車止めがありましたが、帰る時は無くなっていました。
2分ほど進むと3割程度除雪が進んだ駐車場があり、その先雪道になります。
幸い雪面はカチカチに凍っており、ツアーブーツのまま歩きます。
(足が埋まらない平坦地において、多くの方はスキーを背負うより履いた方が楽なようですが、私は背負った方が楽で早く歩けます。)
林道は宝川の左岸を水平に近いほど極めて緩やかに登ってゆきます。

道幅が狭くなった場所では、しばしば右側からの土砂崩れがあり、左の谷へ落ちないよう慎重に崩落地を通過します。
気温は程良く風もなく、静かな大自然の渓谷を35分歩くと、突如、例の短いトンネルが現れました。

トンネル内部まで凍った傾斜を慎重に降りると、地面に不思議な氷のオブジェが・・・

なお、トンネル内に入れない程に雪が積もっていた場合、左側を巻くことになりますが、一旦河原に降りるようで大変そうな感じでした。

トンネルを抜け少し歩くと、7:50理水試験地に着きました。

さらに林道を進んでいると、日光を浴びた雪面が徐々に弛み、踏み抜きが多発し始めたので、仕方なくスキー板を履くことに。
そして8:20板幽沢橋に到着。

多くのトレースは林道を直進していますが、橋を渡らずここから右の林斜面に入ります。

板幽沢の右手斜面は登るのに適度な傾斜で横に広く、好きなルートを取ります。
つぼ足ソロのトレースがあったので、途中まで付かず離れず進みました。
斜面の雪は木々の日陰となり、クラスト状に締まっていて抜群の登り易さ。

しかし休憩時、板を脱いで雪面に足を載せると、膝上まで足が沈み慌てて板を履きました。

やがて平坦地に出ます。
そこは広い疎林の台地で、風もなく、テント泊したら気持ち良さそう。
進行方向北側正面に雨ヶ立の南東尾根が切り立っており、緩やかな支尾根に取り付くべく、東寄りに進路を取ります。
なお先ほどまで、つぼ足やスキーのトレースをちらほら見ましたが、こちらはノートレースで、多くの方は雨ヶ立寄りの少し急な支尾根から近道しているようです。
支尾根上への斜度が想像より緩かったので、南東尾根と支尾根の交点を目指し、やがて支尾根に上がりました。

尾根に上がると東の視界が開け、宝台樹スキー場などが確認できます。
ここから距離の短い登高が本日の最大斜度で、ジグを切りながら登り切ると、9:50見晴しの良い南東尾根上に乗り上げました。

全方向の視界が開け、ここで帰っても良いくらい、なかなかの眺望です。
ですがあとは尾根上を進むだけ、左の雪庇に注意しながら、多少のアップダウンを交えつつ進みます。
尾根上は痩せているような危険箇所はありません。

1400m付近で前方に突然スキーヤーが現れました。
どうやら少し急な近道を登ってきたようです。
本日道中にお会いしたハイカーはこの方一人のみで、この後追い付いた際、挨拶を交わして行き先が同じ雨ヶ立であることを確認しましたが、何故かこの方は雨ヶ立最後の登りでトラバースし始め、布引山に登ってゆきました。

10:35山頂が近づいて来ました。(右=雨ヶ立山、左=布引山)

さらに登ると山頂らしき雰囲気が・・・

・・・と思って登ると更に上に・・・

今度こそ山頂です。
東に厚さ3mはありそうな分厚い雪庇が張り出しています。
そして、11:10雨ヶ立山登頂。

事前情報通り、山頂は360°の大展望台。

武尊山方向

至仏山方向

布引山の奥に朝日岳

澄み渡った青空の下、一人占めの山頂でマッタリ景色を楽しみながら、滑走準備を整え、パンを頬張って帰るための体力を回復させます。

この時期の山頂はまだ風が冷たく留まれないことが多いのですが、本日は微風で着込めば適温。
もう暫く滞在したいところですが、帰りの渋滞に巻き込まれたくないので下山します。

下りルートは往路の南東尾根を1400mまで戻り、そこから右にドロップし林道まで南下します。

11:45スキーを履いて山頂から滑走開始。

安物のアクションカメラは、低い気温のためか、すぐに充電池切れで終わっていました。
滑り出しの雪質は最高で、快調に下ります。
左の崖に落ちると戻って来るのに1~2時間かかりそうなので、右寄りに南東尾根を進みます。
予定通り、1400m付近で右にドロップします。
滑走には適度な斜度で、気温の上昇と共に若干雪が重くなってきますが、ツリーランを楽しめます。

12:00、わずか15分で平坦台地まで下ると、GPSで現在地と進行方向を確認し、スケーティングで進みます。
やがて樹林の緩斜面に入ると、段々と雪が重くなり、コントロールが困難に。
なんとか木々を避けながら1000m付近まで下りてくると、林道歩きを短縮するため、高度の損失を抑えながら、初沢沿いに理水試験地を目指します。
そして12:25試験地の間近で林道に戻って、滑走終了。
最後の方は雪が激重で、曲がることもままならず、かなり疲労が蓄積しました。

トンネルまでシール無で漕いで進み、トンネル出口でシールを装着しながらゆっくり休憩。
痛み出した両足かかとの靴擦れに耐えながら、長い林道をシール歩行します。

道中崩落地で何度か板を外しローペースでひたすら歩くと、宝川温泉の建屋が見えてきました。
最後の林道崩落地が本日の核心部。
林道に積もった土砂と腐った雪の上を、谷へ落ちないよう慎重に通過すると、13:50無事に駐車場へ帰着しました。

温泉に寄らず、すぐに車で帰路に就くと、渋滞に遭わず帰宅することができました。
今回、布引山も行ってしまおうか少し悩みましたが、体力的にも時間的にも、行かないで正解だったと思います。
復路の林道歩きが少々参りましたが、天気、眺望、雰囲気ともに最高の山行でした!

【補足】
・この山は登山道や道標がありません。GPSの所持が望ましく、最低でも地形図は25000図が必要です。
・今回、雪崩や滑落の危険箇所はありませんでしたが、暖かくなると雪が弛み、クラックや崩れが発生すると思われます。
・近年宝川林道は、夏場でも宝川温泉より先は自家用車進入禁止となっている様子。

雨ヶ立山 積雪期限定の大展望


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